彼氏の特権

前から予定をたてていたサイクリングデート。

菩提樹寮で自転車を借り週末は
2人で海へ向かう予定だった。

週末になってみると、実際に借りれた自転車は1台だけ。
1台はチェーンが切れていて使い物にならなくなっていて。

響也の後ろにがのり、二人乗りで海へ向かうことになった。

「ごめんね?」

そういいながらぎゅっと抱きついてくる
それがうれしくて、自転車をこぐ足に力が入る。

「…ッ、ちゃんとつかまってろよ」

スピードが上がると、抱きしめてくる力が少し強くなり
距離が縮まることがうれしくて。

顔が赤くなるのをばれないように響也は必死にこいだ。




















「ふあー、疲れた!」

デートの目的場所だった海に到着すると、
2人は少し休憩を取るため、ジンジャエールを海岸で座って飲むことにした。

はおいしそうにジンジャエールを飲む汗だくの響也の顔をじっと見つめる。

「ん?どうした?」

その視線に気づき響也もを見つめ返した。

「…なんか、こんな暑い日に響也ばっかり申し訳ないなって思って。帰りは私がこいで帰ろうか?」

「はあ!?無理だろ。無理無理!」

突然のからの提案に、ないない!と手を横に振りながら大きく笑う響也。


「だって、小さいころは私が前で響也が後ろにのってたこともあったじゃない。
響也が自転車壊れて半べそかいてた時なんか、私がーーー」

「待った、待った!その話は恥ずかしいからストップ!」

顔を真っ赤にさせる響也をみては笑った。

響也はごほんっと咳払いをして、立ち上がると近くに止めてあった自転車に向かった。

「え?響也?」

「いいから、早く後ろ乗れよ。水族館行くんだろ?」

そういって、自転車の後ろを指さした。
その優しさに もうれしくなったのか笑顔になる。



「俺はお前が後ろに乗ってるのがいいんだよ。…二人乗りは彼氏の特権だろ?」

そう言って照れながら早く乗れよと言ってくる恋人に、は顔をゆるませ、
自転車の後ろに座り、愛おしそうに響也の体に腕を回して顔を背中に寄せた。


「ありがとう、響也。…大好き」















体温が上がっているのは夏のせいか、君のせいか。

照りつける太陽の下

頬を真っ赤に染めながら自転車をこぐ彼氏と、幸せそうに笑う彼女。

2人の恋はまだ始まったばかり。












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チャリネタ書いたけど、今2人乗り違反なんですよね(汗
ごめんなさい。

仙台旅行編から妄想しました。
ゲームの方が少しギャグ路線だったので、甘々書きたかったのです



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