嵐の楽しみ方







「ええやん、減るもんやないし」

部室に遊びに来ているのは東金の彼女の
東金と会う約束をしていたのだが、東金の前の予定が押していて、
部室で待っているところに副部長である土岐が現れ今に至る。

ソファに座っていたの隣に土岐が座り、膝枕をお願いして断られての繰り返し。
最終的に強硬手段とばかりに土岐は寝転がった。

「だめですよ!」

そういって彼女はソファーの端に逃げるが、土岐に捕まって結局膝枕をすることになった。
嬉しそうに微笑む土岐と小さなため息をつく

「愛しいちゃんを千秋に取られて寂しいさかい、せめて膝枕は堪忍して?」

そんなこと言われても、と複雑な心境で、しかも慣れない膝枕に顔が赤くなる
さすがに東金と仲のいい土岐を邪険にすることもできずおとなしくすることにした。






(・・・楽しんでるな)

困った顔の彼女と、満足そうな副部長の顔を見て俺は小さなため息をついた。

合奏団を結成し、ジルベスタ―コンサートを開催させるため
さまざまな学校の生徒をまとめ上げてきた彼女にどんどん魅かれていった部長。
女の方が言い寄ってくるのは毎度のことだが、俺が知る限り初めて部長から思いを寄せた人だ。
大晦日のコンサート後に晴れて2人は付き合うことになり、横浜に部長自ら通ったり、神戸に彼女が遊びに来たりするようになった。
彼女を前から気に入っていた副部長は、神戸に遊びに来る彼女を見つけては
「まだ別れへんの?」といろんなちょっかいをだしている。

そして今回の膝枕もその一つ。

(そろそろ来るかな)

芹沢は時計を見て嵐の予感を感じお湯を沸かし始めた。




ちゃん、こんなんで怒るような、器が小さい男はやめとき・・・」
「誰が、器が小さい男だって・・?」

土岐の言葉を遮るように、ものすごい不機嫌な顔をして部室に入ってきたのは東金。

「蓬生、早く離れろ」
「えー・・・横暴。俺もちゃんといちゃいちゃしたい」

そういって土岐はしぶしぶ起き上がる。

ちゃんは、どこが好きなん?このわがまま王子の」
「え!?」

安心して立ち上がった瞬間、突然質問をふられては動揺する。
土岐や東金だけでなく芹沢がいる前で告白をしろと言っているようなものだ。
できれば別の方法でうまく逃げ出せないか、助けを求めて東金を見つめるも「すぐに答えられるだろう」といった目で
を見ているものだから、逃げ場がないことはすぐにわかった。

「・・・・・・少しわがままに見えるかもしれないですけど、ちゃんと話せばわかってくれるところとか、男らしいところとか、
私のやりたいことを全力で支えて応援してくれるところとか、
音楽に対してもちゃんと自分の考えを持って行動しているところとか、・・・とにかく全部好きです!」

これでいいですか?といった顔で東金と土岐をみる。
その顔はゆでだこのように真っ赤だ。

の言葉をきいて満足げな表情を浮かべる東金。

「上出来」

そういうと突然を肩に抱きかかえた。
まるで、土岐に見せびらかすように、そのまま部室のドアに向かって歩き出した。
は最初はわたわたと慌てていたものの、動じない東金に諦めたのかおとなしくなった。

「というわけだから、そろそろ俺達は出かけるぞ」

東金はそう言って部室から出て行った。
土岐はそんな二人をみて、ふっと笑ってソファに腰かけた。

「お茶をお持ちしました」

嵐が去ったタイミングで土岐にお茶を差し出す。

「大変ですね。副部長も、彼女も」
「まあ、楽しいからええんやないの?ちゃん、早よ飽きんかな」

何度怒られても副部長が彼女に触れるのをやめないのは、
彼女を気に入っているのと、単純に、部長が今までにない表情を見せるから面白いんだと思う。

(仕方ない人達だ・・・)

芹沢は心の中で呟くも静かになった部室を寂しく感じている自分に気づき、苦笑した。











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東金攻略しました。思われ告白エンドでしたが
めちゃくちゃシビアで、ジルベスタ―いけない!?と思いましたが
どうにかなりました。なんか攻略が大変で、イベント結構集められてない気がします。
思いED攻略した際に頑張ってもう一回集めます!

土岐も攻略してめっちゃときめいたので、
SS書きたいのですが関西弁が綺麗にかけません・・。
精進します〜!今回も関西弁がよろしくないと思いますが、
ご勘弁いただければ幸いです・・・orz

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