おまじない







君を独り占めする
おまじない









ちゃん、また宿題かい?」

放課後の図書室、
眉間にしわを寄せて、開いている本とにらめっこしているの隣にすわった大地。
その声に反応して、は声の方へ顔を向けた。

「あ、大地先輩」

さっきまで考え込んでいた顔が、すぐに笑顔に変わった。
その笑顔をみて大地は顔を少し赤くする。

ーーーーその顔は反則だ。

どきっと胸が高鳴るも、平常心を装ってが開いていた辞書を指さした。

「ドイツ語?」

は頷いて宿題の説明をした。
音楽史の課題で、ドイツ語を少し翻訳しないといけないのだと。

説明を聞いた大地は、の頭をくしゃっと撫でて笑った。

「ドイツ語だったら少しは手伝えるって言わなかったかな?もっと頼っていいんだよ」

恋人なんだからね。

最後の言葉をの耳元に近づいてささやくと、は顔を真っ赤にさせた。

「でも、受験勉強は・・・?」
「可愛い彼女が困っていたら、どんな時でも助けてあげたいし、頼られたい。
それに勉強も余裕をもってスケジューリングしてるから問題ないよ」

にこっと笑った大地に、も安心して笑顔になった。

「ありがとうございます!それじゃ、少し手伝ってもらってもいいですか?」

そういっては先ほどまで見ていた教科書の文章を指さした。

「これがどうしても読めなくてわからないんです」























「まさか、ラテン語だったなんて」

先ほどが教えてほしいと指を指した教科書の文章はドイツ語ではなくラテン語だった。
大地に指摘されると、ドイツ語の辞書で必死に解読しようとしていたは顔を真っ赤にさせる。

そして、ラテン語の辞書を探しにすぐに本棚に向かったの後をついていく大地。
後ろからみても彼女の顔が赤くなっていることがわかった。

本棚の前で恥ずかしさを隠そうと必死にラテン語の辞書を探している
の後ろ姿をみて大地は笑った。

「そんなに笑わないでください!」
「あはは、ごめん。ごめん。真っ赤になって恥ずかしそうにしてるちゃんがあまりにも可愛くて」

少し顔を膨らませながら辞書を探している彼女が可愛くて愛しい。

もっと傍にいたい。
もっといろんな表情がみたい。
もっと独り占めしたい。

ちゃん」

大地は突然の後ろから抱きしめた。
辞書を探していたはその手を止めて体を硬直させる。

「だ、だ、大地先輩!ここ図書室・・・っ」

慌てるを見て、大地は微笑みながらさらに抱きしめる力を強くする。

「大丈夫さ、こんな奥まで誰もこないよ」
「でもっ・・・」
「・・・誰か来ても、見せつけたらいいさ」

意地悪く耳元でささやくから、の体温はさらに上昇していく。
鼓動が速くなって、平常心を保とうとしてももう抑えることができない。

「君が可愛すぎるせいだよ」

大地はの首元にキスを落とした。

「・・・ひゃっ」

首元の感触に小さな声を出してしまう。
そのの反応に大地の胸の鼓動も高まっていく。

「大地先輩っ!」

どうにか身をよじらせて、大地を睨むも逆効果。
少し瞳が潤んでいて、それがなんとも艶っぽくて。

そのままの頬を掴んで自分の方へ向けさせて、唇にキスを落とした。

「んっ・・・・っ」

唇が離れると、大地はまた正面からぎゅっとの体を抱きしめた。

ちゃん、愛してるよ」

何回いってもこのあふれ出てくる想いは
伝えきることはできないけれど、少しでも伝わるといい。

大地の抱きしめる腕の力が一向に弱まらないので、
はあきらめて大地の腕の中に身を任せた。












君に悪い虫がつかないための
おまじないを何回も



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大地と図書室でいちゃいちゃでした。
コルダ4の大地√イベントを見ていて、学校でいちゃいちゃイベント書きたくなりました。

卒業する大地は主人公を残していくのでハラハラしているだろうなと思って
あらゆるところで、自分のものだと周りに見せつけて卒業しそうだな・・・。
アンサンブルメンバもほぼ男だし、コルダ3の岡本みたいな人もいるわけですしね。

でもコルダ4の大地√は糖度高くて楽しかったです。


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